プラモデル製作は作る楽しみがありますが、塗装と言う楽しみもあります。せっかく一生懸命製作したプラモデルに息を吹き込むように、実際の戦場で使われているかのように塗装するのも楽しみの一つですね。実際には、製作よりも塗装の方が出来栄えを左右しかなりの時間を費やします。
同じ車両を塗装するにも、使われた戦場、季節、年代によっても全然違った仕上がりになると思います。そこで今回は、その塗装についてわかりやすく解説して行きたいと思います。
塗装の最初に
AFVの場合塗装順序は各々違いますが、細かい装備品などパーツ全てを組み上げてから塗装する方が多いと思います。履帯等の足回り部分は、意見が分かれるところですが。
主な理由は、塗装したパーツ同士をきれいにしっかりと接着することが難しいからです。塗装したパーツ同士の接着は、パーツに塗った塗料を貼り合わせる事になり強度が弱く取れやすくなります。また接着剤がせっかくの塗装を汚してしまいます。
接着部分の塗膜をヤスリ等で剥がして接着すればこれらの問題を解決できます。しかし細かいパーツなど、そのような作業を行うことは非常に手間がかかるので、塗装前に接着してから塗り分けたほうがとても効率がいいのです。
塗装の順序
塗装は、下地処理・基本色塗装・ウェザリングと分ける事ができます。これらを簡単に説明しましょう。
下地処理
組み上がったプラモデルにパーティングラインの処理残しや傷がないか確認と、塗料のノリや発色を良くするためにサーフェイサーで下地処理をします。
基本塗装
車両の基本的な色を塗装して行きます。基本色の下に影となる部分に黒い色を入れたり、基本色の明度を変え部分事に塗装する場合があります。
またフィルタリングを施して、日の当たる部分や影になる部分の明度差をつけたり、パーツごとにメリハリをつけたりします。
ウェザリング
ウェザリングは汚し塗装と言われていますが、私は汚しと風化て考えています。
荒れ果てた戦場で雨風に晒されているAFVは、傷つき汚れてくるのはもちろんです。さらに年月と共に塗装は車体は色あせ錆びて行きます。案に汚しと捉えず、風化と捉え表現していきます。
このウェザリングは、何度も繰り返す事で納得いくまで表現します。例えば、墨入れは最初に行いますが、これで終わりではありません。途中墨入れが消えモールドの表現が弱いと感じたら、その部分だけ再度墨入れし直します。
雨だれを行なったら次にホコリで終わりではなく、ホコリの次にまた雨だれ錆だれなどを繰り返し一番いいと思う状態まで行います。
塗料の使い分け
プラモデルの塗装は、基本塗装からウェザリングと色々な色を乗せていきます。ウェザリングに関しても、雨だれ錆だれホコリなど表現方法により様々な色を乗せていきます。
そこで、下に塗った塗料を侵さない為の塗料選びが必要になります。下に塗った色に違う色を乗せても下の塗装を侵してしまっては、何色にしたかったのか何を表現したかったのかわからなくなってしまいます。
塗料の塗り重ねの基本
塗料は塗る順番があります。
基本的な順番は、ラッカー、水性アクリル、エナメルの順になります。
ラッカーは、水性アクリル、エナメル塗料を侵すので一番下になります。
水性アクリル、エナメル塗装は、他の塗料を侵す事はありません。
同じ塗料同士は、若干侵す事があります。
エナメル塗料は乾燥が遅く失敗したら拭き取ったり、溶剤でぼかしたりできるので一番上に使用する事が多くなります。
まとめ
プラモデルの塗装も、せっかく一生懸命に製作したからにはきれいに塗装したいですね。
あまり深く考えず、自分のやりやすい方法がいいと思います。しかし、塗料の性質は覚えておきましょう。下の色を侵すとせっかく塗った色がまるで違った色に汚くなってしまいます。