エアブラシ・知っておきたい購入のポイント

プラモデル製作の中で塗装は、出来上がりを左右する重要な部分です。しかし、実際の同じ車両でも、塗装状態が季節や風土、さらには使用年数により違い、どのような完成具合にするのか答えは各々違います。

それだけ塗装は各自センスが現れ、やり甲斐のある部分だと思います。その塗装を手助けするアイテムとしてエアブラシがあります。

エアブラシは、敷居が高く思われがちですが、筆塗りや缶スプレーより優しいと言われ、初心者から上級者向けまで販売されています。使って行くうちに慣れることで、塗装の幅が広がるでしょう。今回はこのエアブラシについて、購入のポイントを紹介して行きたいと思います。

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エアブラシとは

エアブラシとは、圧縮した空気の圧力により塗料を霧状に噴射する器具です。エアブラシでの粒子は、とても細かく筆塗りや缶スプレーよりも仕上がりのクオリティが高くなります。そのため、プラモデル・フィギュアに限らず、ネイルアートなど、様々なアートにも使用されています。

エアブラシは、ハンドピースとエアーコンプレッサーで構成されていて、それらを繋ぐホース・レギュレーターや塗料を入れるカップで構成されています。それら各々を見て行きましょう。

ハンドピースの選び方

ハンドピースとは、エアー圧と塗料の噴出量を調節する部分のことです。ハンドピースをエアーコンプレッサーかエアー缶に接続することで塗料を噴射することができます。

エアブラシを選ぶ上で非常に重要な部分であり、ダブルアクション・シングルアクション・トリガーアクションの3タイプがあります。

ダブルアクション

一つのボタンで、エアーと塗料の2段階で操作するタイプのハンドピースです。エアブラシの中で最も使用されているタイプです。

①ボタンを押すとエアーが出ます。
②押したままボタンを引くと塗料が出ます。

ボタンの引き具合で塗料の噴出量を調節できるので、太吹きから細吹きまで自由に塗料をコントロールできますが慣れが必要です。繊細な表現をすることができるので、後のことを考えると、このダブルアクションを購入して慣れていくと良いと思います。

また指を押して引くと言う動作なので、長時間の使用は厳しいと言う意見があります。しかし普通の35分の1のスケールモデルでも、長時間使用しないで塗装は終わると思います。

シングルアクション

ボタンを押すとエアーが出て、塗料の噴出量は後ろのダイヤルで調整します。塗装中に塗料の噴出量を調整するのは難しく、使用後はダイヤルを締めないと塗料がポタポタ垂れてきます。逆にシンプルで使いやすいという方もいます。

ダブルアクションに比べて、安価でメンテナンスが容易です。塗料の量を固定して広範囲を吹きつけたい場合には便利です。

トリガーアクション

エアー圧と塗料の噴出量をピストルのトリガーのように引き、調節するタイプのハンドピースで、メカニズムはダブルアクションと同じと言えます。

①トリガーを少し引くとエアーだけが出てます。
②エアーが出ている状態から、さらに引くと塗料が出ます。この引き具合に応じて塗料の噴出量を調整することができます。

ダブルアクションに比べて指を引くだけの動作なので疲れにくいようです。私は使用したことがないのですが、細やかな表現の細吹きをするにはダブルアクションの方が向いているようです。長時間の使用やベタ塗りなど広範囲の塗装で噴出量を細かく調節する必要がないときにトリガーアクションを使用すると良いようです。

ノズル口径の選択

ノズル口径とは、塗料が出てくる先端の穴の大きさのことです。口径が小さいほど塗料の出る量は少なく線は細くなります。小さな部品の塗装や細い部分の塗装には口径が小さい方が向いています。反対に、口径が大きければ塗料の出る量も多くなり広範囲の塗装に向いています。

また口径が小さいと詰まりやすく、塗料の希釈具合が重要になり使用後の掃除やマメなメンテナンスが必要になります。

一般的には口径0.3mmがよく選ばれていますし、セットで付属しているハンドピースの口径が0.3mmのことが多いようです。

0.3mmだけでも十分AFVの塗装はできます。もう少し細かく塗装を行い方は、ノズルの口径が違うものを何種類か揃えて、用途に合わせて使い分けるとよいでしょう。

ノズルキャップ形状の違い

円筒型のフラットタイプと王冠型のクラウンタイプの2種類あります。クラウンタイプはハンドピースを近づけて塗装したときも、エアーを周囲に逃がして、塗料の跳ね返りを防ぐメリットがあるようです。

カップを洗浄する際に、フラットタイプはキャップ先端を指で塞いでうがいをします。クラウンタイプの方はキャップを緩めてうがいをするようになってます。

個人的には、違いがわかるまで使いこなしてから選ぶか、好きな方を選ぶのが良いじゃないかなと思います。

塗料カップの種類

塗料を入れる部分のことを塗料カップといい、一体型と分離型があります。分離型は、本体とカップのネジ部に塗料がたまったりして、掃除がしやすい点でいうと一体型がオススメです。

分離型は塗料カップの交換が可能なので、大容量のカップを取り付けることができます。かなり広範囲の塗装には、分離型で大容量カップを使用すると一気に塗れて大変便利です。

エアーコンプレッサー

エアーコンプレッサーとは圧縮空気を作り出す機械のことで、この圧縮した空気で塗料を吹きつけます。手軽に使用するなら、エアー缶と言われるものもあります。しかしエアー缶は、消費が激しいためあまりお勧めできません。最初にエアブラシとはどう言った物か確認する意味で使用するのならいいかもしれません。

コンプレッサーはハンドピースとともに必要なものですので、初めて購入する際にはセットでの購入がオススメで失敗はないと思います。

気になるエアーコンプレッサーのチェック項目

①空気圧力
どのくらいの強さでエアーを排出できるかで、最大空気圧力と連続使用圧力があります。塗装の使用時は連続使用圧力で、数字が大きいほど強いエアーを出すことができ、0.06~0.08MPaくらいが使いやすいです。

②連続使用時間
コンプレッサーを連続して使用できる時間で、長いほど良いです。30分以上連続運転が可能であれば十分です。ちなみに連続使用時間を越えると使えないわけではなく、規定の連続使用圧力を維持できる時間を言います。

③作動音
これはかなり気になる方も多いかもしれません。数字が小さいほど静かで、60dBは普通の会話と同じ音量と言われています。実物の音を聞くのが一番確実ですが、また実際の家での使用環境によってもかなり違うと思います。

動作音や振動が気になる場合は、ゴムマットなどを敷くなど防音対策をしましょう。

エアレギュレーター

エアレギュレーターは、エア圧調整機能のことを言います。エアー調整ノブを回すことで、エアー圧の強弱を調整することができます。エアー圧を調整することで、幅広の太吹から細吹まで対応することができます。

またレギュレーターには水抜き機能が付いているものがオススメです。空気を吸い込み圧縮されたエアーで発生された水滴を、付属のボトルに落とし塗料と一緒に吹き出るのを防いでくれます。

気になるエアブラシの値段は

やはり一番気になることは、エアブラシの値段だと思います。1万円以下で購入できる、缶スプレータイプやベーシックセット。さらに2万円位から3万円あたりがオススメです。

タミヤ・エアーブラシシステムNo20スプレーワーク ベーシックコンプレッサーセット74520

¥7,399
・ハンドピースのタイプ・トリガーアクション
・ノズルの口径・0.3mm
・塗料カップのタイプ・分離型
・エアーコンプレッサーがセット

エアブラシのセットが欲しいけどちょっと値段が高くて手が出ないという方には、セットで低価格なこの商品がおすすめです。ハンドピースはトリガーアクションでノズルは0.3mmでシンプルな構造なので、初心者にも使いやすいでしょう。また塗料カップは大小2種類がついています。

しかし、電源は別売りなので、充電式のバッテリーパックかACアダプターと一緒に使用する必要があるので、忘れず購入しましょう。

GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサー プチコン/エアブラシセット PS304

¥19,500円(税込)
・ハンドピースのタイプ・シングルアクション
・ノズルの口径・0.4mm
・塗料カップのタイプ・一体型
・エアーコンプレッサーがセット

プチコンというだけあって、コンパクトで静音性に優れたエアーコンプレッサーと、基本的な器具が揃った入門用のセットです。ハンドピースはシングルアクションで、エアブラシを始めてみようと思っている方には最適なセットです。

また、エアーコンプレッサーの空気圧を調節したり水抜きをしてくれるレギュレーターもついています。基本的な器具を一通り揃えたい、しかし何を選んだら良いかよく分からないという方におすすめの商品です。

タミヤ エアーブラシシステム No.25 スプレーワーク HG シングルエアーブラシ180D 74525

¥6,499円(税込)
・ハンドピースのタイプ・シングルアクション
・ノズルの口径・0.3mm
・塗料カップのタイプ・分離型
・エア―缶がセット

缶タイプのエアブラシセットです。カールホースなので省スペースでも作業を邪魔しません。ハンドピースはシングルアクションですが、細い線の吹き付けから広い面積の塗装まで、色々な塗装が手軽にできます。

しかし、缶なので消費がとても早く、頻繁に新しくエアー缶を購入しなければなりません。塗装以外にも洗浄などでもエアーを使用しなければならないので、トータル的には高くついてしまうようです。

ちょっとエアブラシをやってみたい、まずはエアブラシがどのようなものか試したい方にはいいかもしれませんが、私個人の意見ではおすすめはしません。

エアブラシのおすすめ・GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサーL5/エアブラシセット PS321

¥28,543円(税込)

詳細情報
・ハンドピースのタイプ・ダブルアクション
・ノズルの口径・0.3mm
・塗料カップのタイプ・一体型
・エアーコンプレッサーがセット

私が初めてエアブラシを購入するときに、お店の方にオススメされたのがこのセットです。エアブラシ塗装を本格的に始めたい、人気のある商品と言うことを伝えたらこれを勧められました。

愛用者が多く動作音も静かで性能に定評のあるコンプレッサーL5と、エアーレギュレーターがセットになっています。エアーレギュレーターは、エアー圧の調整・水抜き・分岐でハンドピースを2本繋げることができます。ハンドピースはノズルが0.3mmのスタンダードなダブルアクションが付属しています。

ダブルアクションのハンドピース・エアーコンプレッサー・エアーレギュレーター、さらにエアブラシホルダーも付属していて上級者でも使用しているセットのようです。

まとめ

多分最初にエアブラシを購入するときには、どれを選べばいいのか迷うと思います。予算が合えば、今回紹介したGSIクレオスのL5が一番広く使われているようなので、一考の価値はあると思います。

エアブラシを長く使うためには塗装後のお手入れや定期的なメンテナンスが大切になります。まめに掃除することで長持ちし、いざ使うときに塗料詰まり等のトラブルを防ぐことができます。また、塗装ブースもあると汚したり、匂いで周りに迷惑をかけないですみます。

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