初心者必見、エアブラシの使い方・準備から洗浄方法

エアブラシは上級者の使うものと思っていませんか?実際は、筆塗りや缶スプレーの方が、使いこなすのが難しいと言われています。エアブラシで塗装すると、広い面積も綺麗にムラなく塗ることができます。

筆塗りほど上級者のものと言われ、高度な技術が必要になります。細かいパーツは熟せても、あまり筆塗りに慣れていないと筆ムラができてしまったりモールが埋まってしまったりと、かなり困難を極めます。そのような方にも綺麗にムラなく塗装ができるのがエアブラシです。そのエアブラシの基本的な使用方法を解説いきたいと思います。基本的な使い方をマスターするだけでもかなり満足できる仕上がりになると思います。

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エアブラシの準備

エアブラシを購入したら接続等の準備をします。エアブラシを使用していてちょっと調子がおかしいと感じたら、この項目をチェックしてみるといいかもしれません。簡単なことが原因かもしれませんから。

コンプレッサーとホースを接続

最初にコンプレッサーとレギュレーター・ハンドピースを接続します。各々ホースで繋ぎますが、コンプレッサーとホースを接続する際は、緩まないようしっかりとネジを締めてください。エアー圧が低いと感じたら、この接続部分を確認してみるといいかもしれません。

レギュレーターを接続

レギュレーターは、コンプレッサーの圧力を調整する機械です。基本は、運転時ゲージを見て 0.1~0.2MPaくらいにセットします。圧の強さは、塗装する箇所、大きさなどで変更しましょう。

ハンドピースを接続

レギュレーターにつないだホースの反対側にハンドピースを接続します。これでエアブラシ塗装の準備はOKです。

エアー漏れの確認

電源を入れてエアブラシの確認をします。ハンドピースのボタンを押してエアーがきちんと出ているか、ホースのジョイントから空気が漏れていないか、確認してください。レギュレーターのゲージがあるものはゲージも確認して、エアーが漏れている場合はゲージが安定していないはずです。

見た目や音でエアー漏れが確認できなくてもエアー圧が低い場合は、ホースやレギュレーターを水の中に入れて確認してみましょう。

ハンドピースの使い方

ダブルアクションタイプの使い方を簡単に説明します。人差し指でボタンを押し込むとエアーが出ます。そのまま引くと塗料が出てエアーと塗料が混ざって霧状の塗料が吹き出します。ボタンの引き加減で線の太さを調整できますが、これは慣れが必要なので回数をこなし慣れていきましょう。

また引くときの塗料の量は、後ろのダイヤルがストッパーの役割をするものもあります。これ以上太くしたくないところにダイヤルを合わせれば、引きすぎによる線が太くなり過ぎるのを防ぐことができます。

エアブラシ塗装

エアブラシの準備が整い、ハンドピースの使い方がわかったら実際に塗装をしましょう。何事も慣れが必要です。回数をこなし、ハンドピースの使い方のコツを掴みましょう。

塗料の準備

実際に塗料を吹きつけていくのですが、塗料は希釈して使用します。希釈しないで塗料の濃度が濃いと、エアブラシが詰まってまったく塗料が吹き出なかったり蜘蛛巣状に吹き出してしまいます。

塗料を溶剤で希釈します

塗料1に対して溶剤が1~2の割合で希釈します。エアー圧や塗料の揮発具合でこの割合は、変わります。塗料皿に塗料を入れ、溶剤をスポイトで添加しながら濃度を微調整します。その時、筆に取り少し垂れる位がちょうどいいでしょう。後は試し吹きしてみて、調整します。

また、エアブラシのカップで希釈する方法もありますが、これは希釈具合等慣れてからがいいと思います。ハンドピースのカップに直接溶剤を最初に入れ、次に塗料を入れ調整します。塗料をしっかりとカップ内で混ぜて、ノズルを指で押さえてから、吹きつけるようにします。カップ内で逆流が起こって、塗料が混ざります。

試し吹き

いきなりプラモデルに吹きつけると失敗するかもしれないので、最初に試し吹きをします。ノズルの先に塗料が詰まっていたものが飛び出る時がありますし、この時に塗料の濃度の確認をしましょう。エアー圧は、レギュレーターで調整することができますが、塗料の出る量は、ボタンの引き具合で調整します。

濃度の確認

塗料の濃度が薄い場合は、勢いよく出たりビシャビシャになり塗装面が垂れてしまいます。濃い場合は、粒が飛んだり糸を引き最悪塗料が出てきません。

また濃度以外にも、塗装面の距離やエアー圧も関係するので、自分で一番最適なものを見つけましょう。

エアブラシ塗装方法

エアブラシ塗装は、塗料を霧状にして薄く塗り重ねていくことです。均等に吹きつけていくことを意識しましょう。塗装面に対して常に一定のスピードで動かし、距離も一定に保つように心がけます。途中で止めたりなんども同じ場所で折り返すと、いくら薄く塗っていくエアブラシでも塗装が厚くなります。

奥まって塗りにくいところや、影になる部分の厚く濃くなっても大丈夫な部分を先に塗っておくと綺麗に仕上げやすくなります。

吹きつけ幅の調整

広い範囲を塗装する場合は、10~15cm程度離してエアー圧を上げ塗装してください。塗装面のざらつきが出たり、光沢塗料なのにツヤが無い状態は、離し過ぎです。近づけて塗装するか、エアー圧を上げることで調整します。迷彩や細かく塗装する場合は、近づけエアー圧は弱めにします。また塗料は少し濃度を薄めてもいいかもしれません。

またダブルアクションのハンドピースは、ボタンを押してエアーを出しそのまま後ろに引くと塗料が出ます。その時の引き幅で太さを調整します。少し引くと細い線、大きく引くと太い線になります。

やはりこの太吹きと細吹きの距離感や引き具合・エアー圧は、慣れるまで何度でも練習しましょう。

塗装終了

塗装が終わりましたら電源を切りますが、コンプレッサー内に空気の圧が掛かっている状態です。ハンドピースで圧を抜きます。圧が掛かったまま放置すると、故障の原因になります。また、レギュレーターの水抜きに水が溜まりますのでこちらも毎回抜いて下さい。

使用後の洗浄方法

塗料の色を変えるときや、作業を終了する場合はハンドピースやキャップを綺麗にします。次使うときに塗料が固まって使えない。色を変えたら、前の色と混じって変な色がでてしまった、とうの初歩的なトラブルを防ぎます。

うがい

塗料をビンやスペアボトルに戻してカップ内をキレイに拭き取ります。

塗料を拭き取った後に、溶剤や薄め液を入れてノズルの先を抑え逆流させます。さらに新しい溶剤を入れ吹き出します。これを『うがい』と言い、綺麗になるまで繰り返します。

私の使用しているクレオスの『リニアコンプレッサー・エアブラシセットPS321』に付属のハンドピースPS274は、ノズルキャップを緩め吹くと逆流します。

エアブラシ内の塗料を吐き出します。透明になっていればキレイになった証拠で、色が無くなるまでこの作業を繰り返します。

塗装途中に色を変える場合も、このように前の塗料を綺麗にしてから次の新しい塗料を入れます。

このうがい時には、使用した塗料に合わせた薄め液を使用します。勿体無いと思わず、綺麗な溶剤を使用しましょう。

メンテナンス方法

ハンドピースを定期的に分解洗浄することで、うがいだけでは洗浄しきれない塗料の付着を綺麗にします。

メンテナンスは2〜3ヶ月〜半年にごとか、塗料が出ないときに行いましょう。モデラーさんの中には、毎回使用後に分解洗浄までしている方も多いようです。それだけ、道具に愛着を持っているかですね。

ノズル、キャップを洗浄

作業を終了する場合は、ノズルとキャップを洗浄してください。ノズルとキャップを外す際は、ニードルを後退させて、針のような先端部が曲がらないようにしてください。

取り外したら溶剤やパーツクリーナーに漬け込み10分位放置します。その間にノズルを外した部分等を、綿棒やティッシュを丸め先を尖らしたものに溶剤を含ませたもので拭き取ります。ノズルは繊細なので、爪楊枝などの固いものは避けましょう。

ニードルを洗浄

 

ニードルも塗料が固まりエアーが出ても塗料がでなくなるので、ニードルも定期的に洗浄したほうがいいかもしれません。私もイザ、エアブラシで塗装しようと思ってキャップに塗料を入れたのですが、エアは出ても塗料が出てこないことがありました。ここで、ニードルの洗浄の注意点を紹介しておきます。


ハンドピースのテールキャップをはずし、ニードルの固定ネジ(上記画像)を緩め、ニードルを引き抜きます。先端に塗料が付いていますので、溶剤を含ませたティッシュ等で綺麗に拭き取ります。

塗料が中で固まっているとニードルが外れない場合があります。この時は無理に取ろうとせず、固定ネジをはずしてら内部に溶剤を入れ塗料を溶かし外します。

ニードルは、外さないでくださいと説明書に書いてある場合がありますが、これはニードルの先端が非常に繊細で曲がりやすいためのようです。またニードルの固定ネジの締めすぎや、ネジを丸めてしまうのに注意しましょう。ニードルの洗浄は細心の注意を払うか、あくまでも自己責任で行いましょう。

本体の分解掃除


ニードル以外にも、本体のボタン部分やエアバルブ周辺も定期的に分解して洗浄します。しかし、自分で分解して組み立てられる方だけ行ってください。

パーツクリーナーはゴムパッキンを痛めるので長くつけないという注意が必要なようです。またクリーナセットが販売されているようで、金属の当たる部分はグリスをつけ滑りを良くします。

組み立て時のポイントとして、上記画像のパーツの左側の部分。ここはハンドピースのボタンと当たる部分です。正面から見て細い部分が上です。こんな単純なミスで、組み立てに四苦八苦してしまいました。

詳しく知りたい方は、『エアブラシ 洗浄』と検索してみてください。分解の画像付きで皆さん紹介してくています。

まとめ

エアブラシ塗装は、慣れれば誰でもキレイに塗装することができるアイテムだと思います。とにかく、読んで頭に入れるより、たくさん塗装して回数をこなしてみましょう。慣れてくると、ムラ無く綺麗に塗ることができるでしょう。

決して一回で塗ろうとせず、薄く何回か重ねて塗るように心がけましょう。エアブラシを使いこなせるようになると、塗装の幅が広がります。

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