プラモデル用塗料・基本的な種類を解説

 

プラモデルは、作るのは勿論楽しいことです。しかし、作ったままでは、オモチャ見たいでチョット味気ないですね。そこで、プラモデルが完成したら、塗装をしオモチャから脱して実際の車両に近付けて見ては如何ですか。するとプラモデル製作の楽しみが増え、満足度が高まるのではないでしょうか。

そこで、プラモデル作りの塗装に欠かせない塗料にも幾つかの種類があるのをご存知ですか?この塗料の種類を理解すると、塗装でのリアル感を出す為の幅が広がるので是非目を通して見てください。

塗料の種類

プラモデル用塗料とは、プラモデルに最適な塗料です。それ以外の塗料でプラモデルを塗装すると、色が載らなかったり溶かしてしまうこともあります。

プラモデル用塗料には大きく分けて、ラッカー系、水性アクリル、エナメルの3種類あります。基本的なこれらの塗料はビンに入っているので少量づつ取り出して使用します。塗料は基本、薄めて塗装するので塗料の種類に合わせて溶剤も専用の物を使用します。 また、ビン入り以外では、缶スプレーの塗料もあります。それぞれ特長がありますのでご紹介していきます。

ラッカー塗料

 

プラモデル用の油性塗料です。正式には有機溶剤系アクリル樹脂塗料と言い、ラッカー系塗料と呼ばれています。一般にプラモデルの塗装に一番使われている塗料で、扱うメーカーと種類も豊富です。

ラッカー塗料は、乾燥が早く塗膜が強いのが特長です。さらに発色が良く筆ムラも出にくいので筆塗りに適し、エアブラシにも使えます。 しかしラッカー塗料は、独特のシンナー臭があるのが欠点です。成分には有機溶剤が含まれますので換気はキチンと行いましょう。

*クレオスMr.カラーが一般的で、ガイアカラー・フィニッシャーズなどあります。

スプレー缶

スプレー缶は水性などの表記が無い限り、基本的にラッカー系塗料となります。ビンではラッカー系を扱わないタミヤも缶入りはラッカー塗料です。 大型の模型や平らな面、広い範囲を塗装する場合はスプレー缶が適しています。エアブラシのように吹き出す力を調整はできませんが、キレイな塗膜を作ることが出来ます。

エアブラシの購入を迷っている方は、缶スプレーでも十分に綺麗に塗装することができます。

*タミヤ スプレーカラー・クレオスMr.カラースプレー・ガンダムカラースプレーなどあります。

水性アクリル塗料

 

水溶性アクリル樹脂塗料といい、一般的にアクリル塗料と言うと水性塗料を指します。ラッカー系についで種類も豊富な塗料です。塗料のノビ、発色が良いので筆塗りにも適していて、乾燥する前なら筆も水洗いできます。

アクリル塗料は、シンナーの含有量が少ないので匂いはありますが、ラッカー系ほどキツイ匂いではありません。しかし、同じように有機溶剤が含まれますので、換気は必要です。

塗料を薄める際は、タミヤ製は専用のアクリル溶剤を使います。クレオスやファレホ製は水で薄めて使うことができます。専用のアクリル溶剤もあるので、できれば専用品がオススメです。 水性アクリル塗料は、乾燥時間がラッカーに比べ遅いのですが乾燥すれば耐水効果もあります。また、デカールを溶かすことはないので、透明のものはデカールの保護に使用することができます。

*タミヤアクリル塗料・クレオス水性ホビーカラー・ファレホなどあります。

エナメル塗料

 

エナメル塗料と言うと、タミヤエナメル塗料が広く知られています。エナメル塗料はのびがよく塗装ムラが出にくい塗料で、乾燥後発色がいいのが特徴です。ラッカーや水性アクリルよりも乾きが遅いため、塗料がよく広がり、塗膜がとても滑らかになります。

乾燥が遅いことを利用して、主にウォッシングや墨入れ等のウエザリングに使用します。 ツヤ有りの発色はとてもよいのですが、金属色もきめが細かくエナメルならではの質感が出ます。溶剤で薄めても発色率が低下しにくい事でもウェザリングやスミ入れにも向いています。 タミヤのスミ入れ塗料もエナメル塗料です。水性アクリル塗料同様、デカールの上に塗っても大丈夫でクリアを塗るとデカールの保護に使えます。

*タミヤカラーエナメル塗料・Mr.ウェザリングカラーなどがあります。

その他の塗装に必要な溶剤

プラモデルの塗装には、塗料以外にも欠かせないものがあります。普通に塗料を薄める溶剤から、塗膜を守るため・塗料のノリを良くするために必要なものがあります。さらには、塗装後の洗浄に必要なものなど、これらを紹介して行きます。

サーフェイサ

塗装する前にこのサーフェイサを吹き付けると、小傷や消し損なったパーティングラインを見つけたり消してくれる効果があります。600番ぐらいまでのペーパー跡は、かなり目立たなくしてくれます。

またサーフェイサーを吹いた後の塗料の食いつきをよくしてくれ、特に金属やエッチングパーツの塗装には、プライマー成分の入っているメタルプライマーを塗っておくと塗料が剥がれにくくなります。 さらには、塗料のノリを良くしてくれます。

パテで整形した後やエッチングパーツの部分に塗装するとどうしても質感が違って見えます。そこでサーフェイサを塗ることで同じ質感にすることができます。

*GSIクレオス.Mrサーフェイサー・タミヤファインサーフェイサーL・ガイアノーツサーフェイサーなどあります。

サーフェイサーについて詳しくは
 icon-angle-double-right サーフェイサーとは、きれいに塗装するための重要な下地処理アイテム

トップコート

 

トップコートも塗料の一種で、無色透明のスプレー缶がメインで水性とラッカー系の2種類があります。 主にプラモデルの仕上げに使い、最後にトップコートを吹き付けると、艶を整え、プラモデルの質感を高めることができます。またデカールにも安心して使用でき、デカールを保護することができます。

つや消し・半光沢・光沢の3種類あり、必要に応じて購入しましょう。ラッカー系のトップコートを水性アクリルやエナメルに塗装できません。水性トップコートはどの塗料にも対応します。

*Mr.スーパークリアー(光沢)・Mr.スーパークリアーUVカット・Mr.トップコート(水性)・タミヤ スプレーカラー クリヤーなどあります。

薄め液

 

塗装する際に、塗料そのままでは筆でもエアブラシでも濃すぎます。基本塗料は、溶剤で薄めることで塗料を塗りやすくします。 各メーカーから塗料の種類に応じて専用のものが発売されているので基本的には同一メーカーのものがオススメです。

薄め液は、希釈以外にも溶剤を使って筆や塗料皿などの洗浄に使います。 塗料の希釈度合は扱う塗料の種類と状態、使い方によって変わります。筆塗りよりもエアブラシは薄め液が多くなります。水性塗料は希釈が少なく、揮発しやすいラッカー系は希釈が多くなります。

希釈の比率

筆塗りとエアブラシでは、希釈の割合が変わります。自分で色々試して見て、自分の塗装しやすい割合を探して見てください。参考まで、ある程度の割合を燃せておきます。

塗料:薄め液・筆塗り/エアブラシ
ラッカー系・・・・1:1~1.5/2.0~3.0
水性アクリル・・・1:0.0~0.5/0.5~1.0
エナメル・・・・・1:0.5~1.0/1.0~1.5

*墨入れやウオッシング等でも、希釈の割合はかなり変わることをご了承ください。

*Mr.カラーうすめ液、Mr.水性ホビーカラーうすめ液、タミヤアクリル溶剤、タミヤエナメル溶剤などあります。

ツール用洗浄液

洗浄液は、エアブラシや筆、塗料皿の洗浄に使います。基本的に各種類の薄め液や溶剤で洗浄できますが、ツールウォッシュを使うと用具を洗う時間を短縮し、よりキレイに洗浄することが出来ます。 これらの洗浄剤はメーカー毎にこだわる必要はありません。ただし、この洗浄液で塗料を薄めることはできないので注意してください。

*ツールウォッシュ、Mr.ツールクリーナー、タミヤ・エアブラシクリーナーなどあります。

リターダー

ラッカー塗料にリターダーを混ぜると乾燥を遅らせ伸びをよくすることで、筆ムラも目立たなくツヤが出てキレイに仕上がります。タミヤからはアクリル用も発売されています。レベリングうすめ液、ブラシマスターは、リターダーが溶剤に添加されているので、エアブラシ塗装する場合はこちらが便利でしょう。 ただしリターダーの混ぜ過ぎは、乾きにくくなります。添加量は筆塗りで10%以下、エアブラシは20%以下が大体の目安になります。

*Mr.リターダーマイルド・ペイントリターダー(アクリル塗料用)・Mr.レベリングうすめ液・ブラシマスターなどあります。

真溶媒液

真溶媒液は、ビンの中で粘度が高くなったり、固まってしまったMr.カラー(ラッカー系塗料)専用の溶媒液です。その他の塗料には使用できません。 うすめ液には含まれていない塗料樹脂を含んでいるので、塗料本来の性能に回復させることができます。溶媒液を入れすぎたカラーはプラを溶かす場合があるので注意してください。

*Mr.カラー専用 真溶媒液があります。

重ね塗りの基本

塗料には成分の違いで重ね塗りが出来るものと、出来ないものがあります。基本は、ラッカー→水性アクリル→エナメルの順番で使うのが一般的です。同一種の塗料は重ねることができます。

ラッカーの上から、ラッカー・水性アクリル・エナメルは塗り重ねられます。
アクリルの上から、アクリル・エナメルは塗り重ねられます。
エナメルの上から、エナメル・アクリルは塗り重ねられます。

塗装の注意

どの種類の塗料の多かれ少なかれ有機溶剤が含まれているため、塗装の際は換気には十分注意してください。これは匂いが少ない水性でも同様です。また、可燃性ですので火気厳禁です。裏の注意書きを、たまには読んでみましょう。

また塗料は湿度が高いところでは塗装できません。かぶりと言われる、白く濁る現象を起こします。また極端に気温が低い場合も、特に缶スプレー塗装では失敗することが多々あります。ABS樹脂パーツに塗装した場合、樹脂に塗料が浸食して、パーツが脆くなり、割れたりすることがあります。エナメル塗料は乾燥が遅い分、溶剤がプラモデルを浸食しやすく、パーツが脆くなることがあります。

まとめ

プラモデルの塗装をするためには、塗料にもたくさんの種類やその他の溶剤が数多くあります。これらを理解して使いこなすことができると、塗装の幅が広がることでしょう。それでよりリアル感を出すことができ、自分オリジナルのプラモデルが完成していくでしょう。

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