Mrウェザリングカラー・オールマイティーに使えるウェザリングカラーを解説

ウェザリングアイテムとして大変便利な、クレオスのウェザリングカラーを紹介したいと思います。

ウェザリングカラーのクレオス公式HPではスミ入れ用塗料と書かれていますが、スミ入れ以外にも、ウォッシングや錆・ホコリ汚れ等ウェザリング全般に使用することができる万能アイテムだと思います。

今回ウェザリングカラーの使用方法は、プロモデラーの吉岡和哉さんの方法を参考にさせて頂いています。吉岡さんは、ウェザリングカラーの開発にも携わっているのでとても参考になります。

Mr.ウェザリングカラー

ウェザリングカラーのバリエーションは現在8色あります。(2017/8)
マルチブラック・グランドブラウン・ステインブラウン・サンディウォッシュ・マルチホワイト・マルチグレー・グレイッシュブラウン・ラストオレンジ

最初は三色の様でしたが、それだけ実車の車体表面は色々な色のグラデーションが施されていて、それを忠実に再現するために増えたのかもしれませんね。

ウェザリングカラーの特徴

ウェザリングカラーは油彩をベースに開発されていて、塗料の伸びがよく乾燥が遅いので拭き取りが容易にできます。拭き取りには専用薄め液も出ていますが、油彩やエナメル溶剤でも使用することができます。乾燥後は、つや消しになります。

墨入れやウォッシングに使いやすいように、最初ら濃度が調整してあります。スミ入れにはそのまま使用でき、ウォッシングにもそのまま使用し拭き取るか薄めて使用します。

ウェザリングカラーは、エナメル塗料と違いプラスチックを侵す事がありません。ウォッシングで多めに塗布しても、エナメル塗料の様にパーツが外れたりは少ないと思いますし、実際私が使用してもまだこの様な事はありません。

マルチブラック

一般的な黒色で、サラサラタイプなので主に墨入れに使用します。他に、影やスス汚れ、さらにオイルの滲みの表現にも使用できます。

基本色が明るい場合には、スミ入れがハッキリし過ぎるかもしれません。その場合は、ハッキリさせたい部分だけ使い他は違う色でスミ入れした方がいいかもしれません。

グランドブラウン

焦げ茶色で、若干粘度があるので主にスミ入れやウォッシングに使用します。他に土汚れやサビの表現にも使用できます。

個人的には、一番オールマイティーに使用しています。スミ入れは勿論、ウォッシング時や汚れ表現など他のウェザリングカラーと一緒にこのグランドブラウンを置いて行き、汚れのグラデーションを施す事が多いです。

ステインブラウン

茶色で、スミ入れやウォッシングに使用します。特に冬季迷彩や古く使い込まれた車両の墨入れやウォッシングに使用します。

また泥汚れやサビの表現、さらに汚れのコントラストを表すためグランドブラウンやサンディウォッシュと合わせてランダムに塗り重ねていきます。

サンディウォッシュ

黄土色とでも言いましょうか、主にホコリ汚れの表現に使用します。

ホコリがのった状態で全体の統一感をだしたり、ホコリが雨に垂れた表現や、主に足回りの汚れの土台としてウォッシングにも使用します。サラサラな状態で塗ったときはあまり色が乗っている感じがしないのですが、乾くと薄っすらと埃が乗った状態になります。

混ぜない状態の下に沈殿した部分をすくって使用すると、隅にホコリが溜まった状態も表現することができます。

また汚れのグラデーションに、グランドブラウン・ステインブラウンと一緒にサンディウォッシュも置いて行き、三色が完全に混ざらないようにぼかして行きます。

マルチホワイト

白色で、他のウェザリングカラーと混ぜる事で明度の調整が出来ます。明るくしたいときに他の色と一緒にこのマルチホワイトも置いて行き、混ぜるようにウォッシュして行きます。この時キレイに混ぜないで、ムラがあった方がリアルに見えます。

画像は左半分がサンディウォッシュ、右がマルチホワイトです。これで汚れのグラデーションやサンディウォッシュと違ったホコリを表現できます。

また冬季迷彩にもいい感じに透けるので、迷彩のはげ加減が調整できます。

マルチグレー

灰色のウェザリングカラーで、他のウェザリングカラーと混ぜる事で明度の調整ができます。また、基本色が黒や濃い灰色にスミ入れとしても使用する事ができます。

このマルチグレーはまだ実際に使用したことがないので、後日追記します。

グレイッシュブラウン

黄土色に近い茶色でアース系の色味になっていて、グランドブラウンやステインブラウンと同じように粘度が高めになっているようです。

主に湿った泥や土汚れの表現に使用できます。サンディウォッシュやブラウンと一緒に使う事で、汚れに深みや表情をつけることができます。

またグリーン系の車両のホコリ等の表現にサンディウォッシュでは白っぽくなり過ぎる時は、このグレイッシュブラウンが良いかもしれません。

ラストオレンジ

現在最後に発売されたウェザリングカラーで、主に赤サビの表現に使用します。マフラー等のサビの表現や、塗装が剥がれた部分にサビが現れた状態のチッピングにも使用します。

他のウェザリングカラーと合わせて使う事で、よりリアルな新しいサビを表現する事ができます。

ウェザリングカラー他の使い方

私は主にウォッシングや雨だれ・サビだれに使用することが多いです。また、スミ入れしてそれをぼかす、ピンウォッシュで使用します。

上記の写真は、最初にナースホルンにグランドブラウン・ステインブラウン・マルチホワイトをランダムにのせて行きます。この時、車体の部分ごとにマルチホワイトを多くしたり、ステインブラウンを多くしたりと加減して置いて行きます。

これを溶剤を含ませた筆でウォッシュして行きます。この時、溶剤をつけた筆をティッシュ等でよく拭き取ってから使用しないとウェザリングカラーが落ちてしまいます。

筆は上下に動かし、ムラが出来る様に塗るのがポイントです。

まとめ

ウェザリングカラーはウォッシング・スミ入れ等様々な用途に使用できます。カラーバリエーションが増えたことで、用途の幅が増えたことも事実です。その影響で、エナメル塗料でのウェザリングが減ってしまっています。しかし、エナメル塗料の匂いのお陰で気にしながら行っていたウェザリングも、ウェザリングカラーのお陰で気にせず行うことができます。

ちなみに私は筆をつけて、紙パレットに落とし筆塗りで使用しています。用途によっては、直接取り付けた筆で塗るときもあります。筆を直接入れると残量が分かりづらく、沢山筆に着いてしまったりとちょっと不便でした。この筆は、クレオスのマークセッター等の筆を取り付けていて、結構便利ですよ。

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