忍耐力がつく、連結式履帯製作

戦車の魅力的な特徴として、火力のある大砲とどんな荒地でも走行できる履帯(キャタピラ)があります。砲身の制作に手が付き出し車体に砲身が付いた砲塔を載せると、格好良さと完成が見えてきてテンションが上がってきますね。

しかし、もう一つの特徴である連結式履帯を一個ずつ組み立てるのは、何故かテンションが下がってきます。こんな気持ちを持つ方は、多くないですか?また初めて連結式履帯のキットを購入して見て、ためらっている方も多いかもしれません。

この誰しもがためらう、制作には忍耐力がつく連結式履帯製作の方法を紹介して行きたいと思います。

スケールモデルの履帯について

プラモデルに付属している履帯は、主に繋げるだけの一本のベルトになっているベルト式履帯と、一コマずつつなげていく連結式履帯の二種類あります。それぞれの特徴を紹介して行きましょう。

ベルト式履帯の特徴

ベルト式履帯はゴムでできた履帯で、両端を焼き留めか接着してつなげます。やはり、簡単に出来ることが一番のメリットです。

しかし、立体感に乏しく、履帯のたるみを表現しずらくなります。

分割式履帯の特徴

 

分割式履帯は忠実に再現されていて、一コマずつつなげて行かなければなりません。これはかなりの労力で、忍耐力がないと製作できません。ましてや、押し出しピン跡などあると、無の世界に入らないとできないでしょう。

しかし労力に比例して、リアルな履帯・履帯のたるみを再現してくれます。

連結式履帯制作方法

今回はドラゴンの2代目ナースホルン(#6166)付属の連結式履帯を制作していきます。初期のキットなので、履帯はランナーについているし押し出しピン跡もあります。これらを整形し製作していきます。

パーツの整形

最初にパーツを確認して、押し出しピンがあるので処理していきます。このときランナーから外してしまうと大変なので、外さず処理していきましょう。

パーツをランナーから外す

パーツをランナーから外しますが、ニッパーで外すと後でゲート処理をしなければなりません。デザインナイフで、ギリギリの部分で切り離しましょう。私が初めて連結式履帯を制作したとき、ニッパーで切り離し一個ずつゲート処理すると言う地獄を見ました。

早く完成させる気持ちを抑え、ネット等で下調べしてから制作しましょう。

履帯の制作

最初に両面テープを用意し、粘着面を手や衣類等で抑え粘着力を弱くします。これは、後で履帯パーツを外す時に、粘着力が強いとせっかく組んだ履帯が外れる恐れがあります。

真っ直ぐ組んで行けるように、私は割り箸を添えながら行っています。

このときに役立つのが、リモネンセメントです。リモネンセメントは乾燥がとても遅いので、転輪に組み込む時に曲げることもできます。

この時に履帯を組んだ上から塗ってしまいがちですが、接着する部分に入り込むようにリモネンセメントを流し入れるように一箇所ずつ接合部分に置いていきます。このちょっとした手間をかけることが、後で外れてしまうことを防ぐことができます。

画像は、約30分後の状態です。分かりづらいかもしれませんが、90度近く曲げても外れる事はありません。しかしまだ完全に乾燥してはいないので、優しく扱いましょう。

転輪への組み込み

ナースホルンに組み付けた状態です。後の塗装もあるので、2分割に組んで外せるようにしてあります。外して塗装し、再度組み込み接着します。

連結式履帯の場合は、車体のフェンダーや上部を製作する前の方が組み込みやすいようです。説明書の履帯のコマ数より上下する場合があるので、数を調整したり、タルミを調整したりとフェンダーがあると調整しづらいので足回りは先に全て組むことをお勧めします。

まとめ

連結式履帯と聞くと、プラモデル製作をためらってしまう方も多いかと思います。連結式履帯もコツさえ掴んでしまえば、簡単に組み立てることができます。

デザインナイフでの、切り離し。
両面テープ
リモネンセメント

この3点に注意し、まだ連結式履帯を制作したことがない方はトライして見ましょう。思ったよりも簡単にでき、よりリアルな履帯を再現することができます。

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